実生活に於ける市販薬/健康食品取得時のメンタル、バイタル、ライフを非侵襲連続測定し個人社会活用を可能にする仮想ウェルネスセンサ・貯健箱(R) アプリの出展について
4月17日(水)~4月19日(金)東京ビックサイトにて開催のファーマIT&デジタルヘルス エキスポ 2024 に掲題のテーマで出展・セミナ講演(19日午後15:40~16:00)します。[背景]
最近の健康志向の高まりに伴い、市場には多様な健康食品が溢れています。コロナ禍で大きく成長した健康食品も、その伸びが鈍化しつつある中、今後は摂取による効果検証が、より重要となると考えらます。
一方、リストバンド等のウェアラブル・センサの進化は著しく、従来の心拍や歩数だけでなく睡眠の質、血圧、感情等を高精度で推定できる非医療機器のウェルネス・センサも出現し始めています。
株式会社ミルウスでは、リストバンド等の多様な(物理)センサにスマホ・クラウド等のサイバー空間の信号処理・知識処理を組み合わせすことにより、非医療応用でのバイタル(血圧等)、メンタル(感情等)、ライフ(睡眠等)データを高精度で推定する「仮想ウェルネスセンサ」および、同センサで取得したパーソナルデータに改竄抑止、オーナーシップ明確化を目的としたデジタル署名を付与してスマホやローカルサーバに暗号化保管し、多様な提供先に本人同意の下データ提供を行う事の出来る「貯健箱(R)」アプリを開発しカスタマイズ可能なIP製品として提供しています。本展示会・セミナでは、上記IP製品を用い、実生活に於ける市販薬や健康食品の効果を在宅のまま、ウェアラブル・センサで計測し、安全にビックデータ収集する技術を紹介します。
[仮想ウェルネスセンサ MIRUWS(R) M3]
心電による感情センシング機能を有するMIRUWS(R) M2の後継として2024年度よりリストバント等で取得できる脈波対応を加えたMIRUWS(R) M3 シリーズの提供を順次開始します。 このM3は、下図1のように、従来の感情だけでなくリストバンド等から得られる脈波および加速度波形を用いて、血圧に相当する「連続血流圧」および睡眠状態・無呼吸症候群リスクを測定する機能を提供します。
MIRUWS(R) M3の多機能連続センシング
図2 「仮想ウェルネスセンサ」における「連続血流圧指標(連血圧指標)」の定義
「連続血圧指標」は、リストバンドや指尖センサのような光電脈波を用いた弊社が提案する「仮想ウェルネスセンサ」において、医療機器として用いられる血圧との混同を防ぐために、「仮想ウェルネスセンサ」の性能指標として図2の式で定義するもので、血管抵抗、血液流量、脈拍を元に算出します(※1)。この指標は光電脈波波形が理想的な場合には、一般の血圧計の測定値に近い値を推定しますが、物理センサで得られる脈波波形の精度により差異が発生する可能性があり、対象の物理センサを用いた性能評価結果と測定環境を応用側に提示して、目的とする応用に適用可能か判断する材料を提供します。
[リストバンドによる「連続血流圧指標」測定結果例]
上記仮想ウェルネスセンサの性能を明確化して各ユースケースへの適用可否判断を可能にするために、使用する物理センサと仮想センサ参照ソフトの組み合わせによる推定精度を測定し、仮想ウェルネスセンサデータベースに搭載する作業を進めています。下図3は東北医科薬科大 若林病院 住友和弘教授と共同で実施中の、同大学の学生と社会人による「連続血流圧指標」 および感情測定の測定結果例です。 同実験では「連続血流圧指標」とともに、ラッセル円環図の配色で表現した連続感情も測定しています。
図3(a)は心電による感情推定と脈波による推定の比較結果、(b)は実験風景、(c)は若者(20歳以下)の「連続血流圧」推定結果、(d)は高齢者の推定結果です。 学生はエルゴメータによる運動時に脈拍が増加しても、血圧は上昇しないのに対して、高齢者は血圧の増加が顕著に表れる傾向を血圧計同様に本センサでもとらえています。
図3 リストバンドによる「連続血流圧指標」と感情測定性能評価実験結果例
[「貯健箱(R)」による市販薬・健康食品取得者の実生活におけるメンタル・バイタル・ライフデータ収集]
「貯健箱(R)」アプリは(1)リストバンド等と連携した「仮想ウェルネスセンサ」で得られるバイタル・メンタル・ライフの各データ、(2)スマホのカメラで取得した薬、健康食品ラベル、食事、間食の時刻付写真、(3)スマホのGPSやビーコン信号(BLE)から得られる位置情報、(4)スマホアプリのアンケートで取得した個人データや主観データ、といったパーソナルデータを、日付日時とともに、被測定者の秘密鍵によるデジタル/電子署名を付与されたのち、暗号化して自身のスマホやローカルサーバに保管できます。 市販薬や健康食品会社などが、例えば対象製品と血圧や睡眠との関係のビックデータを取得したい場合には、目的・取得対象データ・取得対象期間・取集元、二次利用の可否・ポイント付与有無等を記載したサービス定義書をスマホの「貯健箱(R)」アプリにセットし。本人の同意が得られれば、貯健箱は対象とするデータをアクセス者指定の暗号データとして提供します。
図4 貯健箱(R)と仮想ウェルネスセンサ M3との連携による個人利用と社会利用の両立
[ファーマIT&デジタルヘルス エキスポ 2024 で展示・セミナ発表します]
上記内容は明日4月17日(水)~4月19日(金)、開催の掲題の展示会で展示します。 また、4月19日(金) 15:40-16:00には、 4D会場(東4ホール内)でセミナ講演します。申し込みは下記のURLになります。皆様の参加を歓迎いたします。
https://www.informa-japan.com/cphifcj/seminar/index.php?category=112
[参考論文]
※1 電気学会論文誌 E (センサ・ マイクロマシン部門誌) IEEJ Transactions on Sensors and Micromachines Vol. 141, No1 pp 1-11, “光電容積脈波による連続血圧推定における血流の流量と抵抗指標を用いた精度向上方式の提案と評価” 東芝デバイス&ストレージ株式会社(当時) 川上健、 東北医科薬科大 住友和弘、北海道大学 長谷山美紀、 株式会社 ミルウス 南 重信 他