北海道上士幌町で走行する“自動運転バス”に自治体初※1となる「AI車掌」を導入

北海道上士幌町(以下、上士幌町)では、2022年12月から定期運行を開始した自動運転バス「かみしほろアルマ」に、「AI車掌」を導入するプロジェクトを2024年4月1日(月)から開始いたします。
本プロジェクトは、上士幌町にてワーケーション施設運営などを行う株式会社スパイスボックス(本社:東京都港区、以下スパイスボックス) 監修のもと、株式会社TRIBALCON.(本社:東京都渋谷区、以下TRIBALCON.)がAI車掌「萩音士 清平(しゅうおんじ きよひら)」のキャラクター企画開発を行い、株式会社アドバンスト・メディア(本社:東京都豊島区、以下アドバンスト・メディア)が提供するAI音声対話アバター「AI Avatar AOI(エーアイ アバター アオイ)」のシステムにより実現しました。

●概要
上士幌町では、2017年10月に北海道初となる自動運転バスの公道走行実証を皮切りに、2021年12月の公道における冬季走行実証を経て、2022年12月から自動運転レベル4の社会実装に向け、事業性・技術面・社会需要面の課題解決に向けて地元交通事業者と連携して自動運行バスの定期運行を実施しています。

今回のAI車掌の導入は、自動運転レベル4の実現により、将来的に無人走行が可能となった際に、これまで行われていた車内でのコミュニケーションが失われてしまい、会話の機会が減少してしまう課題に対して、高齢者でも受け入れやすく親しみやすい対話型のシステムとして「AI車掌」を導入することで、自動運転バスに乗車する不安を取り除き、車内コミュニケーションの活性化を目指すものになります。

今回導入するシステムは、国内シェアNo.1※2のAI音声認識「AmiVoice」を活用したAI音声対話アバターで高い対話能力を持つ「AI Avatar AOI」がベースとなっており、自動運転バスにAI車掌として導入されたのは、全国の自治体で初となります※1。

AI車掌は「萩音士 清平(しゅうおんじ きよひら)」と名付けられています。上士幌町民の身近な存在になってほしいという思いを込めて、「萩ケ岡」の「萩」、「上音更」の「音」など、上士幌町に存在する地区名が由来になっています。

             にっぽうの家上士幌前を走行する自動運転バス「かみしほろアルマ」

■自動運転バスについて
定  員:11名(乗務員除く)
運行速度:最大20km/h未満
運 行 日:【道の駅循環線】月曜、木曜、土曜
【西団地・北団地循環線】月曜、木曜
全ての曜日・運行ルートで、2024年4月1日(月)よりAI車掌を搭載。
少子高齢化によって生じる公共交通機関の課題にICTを活用して対応するための手段として、2017年に北海道初となる自動運転バスの公道走行実証を皮切りに、段階的に実証実験を実施。2022年12月より自動運転レベル2による定期運行を開始。2024年度中に一部区間での自動運転レベル4の実現を目指しています。
自動運転バスの運行に関する情報は役場HPよりご確認ください。
URL:https://www.kamishihoro.jp/sp/self_driving_bus

■AI車掌の機能について
1.バス停留所の周辺情報案内
GPS機能と連携し、バス停留所やその周辺情報の自動音声案内を行います。バス停留所の位置情報を設定することで、次に停車するバス停留所の情報や定期おすすめ情報、町のイベント情報、有料広告枠の情報を音声で案内します。音声案内のタイミングはGPSによる位置指定、または時間で設定可能です。

2.AI音声対話
AI車掌と自由に会話を楽しむことができます。上士幌町やキャラクターに関連する情報をインプットし、不適切な会話を回避するよう設定したキャラクタードキュメントと、制御されたChatGPTのデータベースから、AIが適切な返答を選択することで、より正確性の高い適切な回答を実現します。

3.AIスペシャル機能
利用者に親近感を持ってもらうために、AI車掌によるワンフレーズ歌の歌唱や、上士幌町にちなんだ早口言葉、じゃんけんなど、特別なコミュニケーション機能をご用意しています。

■制御されたChatGPTにより、より正確性の高い回答を実現
今回、アドバンスト・メディアが提供する「AI Avatar AOI」のシステムとGPS機能を連携させることにより、バス停留所とその周辺情報の自動音声案内を実現しました。さらに、音声対話機能により、乗客は車内に設置されたタブレット端末でAI車掌との自由な対話を楽しみながら、より詳細な停留所周辺の情報を得ることができます。
また、キャラクターや上士幌町に関連する情報をインプットし、不適切なワードを回避するよう設定したキャラクタードキュメントと、制御されたデータベースから、AIが適切な回答を選択することで、より正確性の高い回答を可能にしています。

AI車掌「萩音士 清平(しゅうおんじ きよひら)」のUI・アニメーションなど、キャラクター開発全般はTRIBALCON.が監修。2Dイラストに立体的なアニメーションを加える表現技術Live2Dを採用し、より滑らかな動きを実現しています。

音声合成は、声優の収録音声を元にアドバンスト・メディアが開発しました。さらに、キャラクターの表情や仕草をAI自身に選択させることで、乗客から質問を受けた際に考える様子を示したり、笑顔で回答するなど、視覚的にも自然な対話を可能にしています。

※1 アドバンスト・メディア調べ、2024年3月時点「自治体が運行する自動運転バスへのAI車掌の導入」として
※2出典:ecarlate「音声認識市場動向2023」音声認識ソフトウェア/クラウドサービス市場

●上士幌町について

北海道十勝地方の北部に位置し、人口は約5,000人、面積は東京23区より広い約700平方kmを抱え、その76%を森林が占める緑豊かな町です。また、日本で初めて熱気球の大会が開かれた「熱気球のまち」としても知られています。 近年では全国トップレベルの酪農業を軸に、バイオガス発電とエネルギーの地産地消、自動運転バスやドローン配送の実装などICT技術を活用した持続可能な取組が評価され、第4回SDGsアワードで内閣官房長官賞を受賞しました。 「かみしほろシェアOFFICE」「企業滞在型交流施設/にっぽうの家」を起点としたテレワーク・ワーケーションの受入を通じ、関係人口の創出にも取組んでいます。
https://www.kamishihoro.jp

●株式会社スパイスボックスについて
企業やブランドへの好意、共感醸成を支援する、コミュニケーション・カンパニー。2003年、日本初のデジタルエージェンシーとして創業。さまざまな企業のブランディング支援を手掛けています。スマートフォン、ソーシャルメディアが一般化して以降は、“生活者”に共感を呼ぶ「エンゲージメントコミュニケーション」施策の設計、提供を強みとし、様々なクリエイターやアナリストと共に、調査からコンテンツ企画、制作、発信までを一気通貫でサポートいたします。

●株式会社TRIBALCON.について
エンターテインメント業界のグラフィックデザインを中心に活動するクリエイティブチームBALCOLONY.のグループ会社として2015年に設立。エンターテインメント事業に関わってきた経験と実績を活かし、作品ファンの方々と良質なコミュニケーションを取るために、クリエイティブ領域で力を発揮します。
https://tribalcon.co.jp

●アドバンスト・メディアについて
1997年に設立。Interactive Systems, Inc.(米国)と日本語音声認識AmiVoiceを共同で開発し事業化。2005年には、音声認識専業の企業として初の東京証券取引所マザーズ市場(現:グロース市場)に上場し、音声認識事業で日本で初めて通年ベースで黒字化を達成しています。
「HCI(Human Communication Integration)の実現」をビジョンに掲げ、人が機械に自然に意思を伝えられる「ソフトコミュニケーションの時代」を拓くべく、音声認識ソフトウェア・クラウドサービス市場シェアNo.1(出典:ecarlate「音声認識市場動向2023」)のAI音声認識AmiVoiceを主軸にした事業を展開。会議、医療、コンタクトセンター、建設・不動産、物流・製造などの領域特化型エンジンとして、幅広いシーンで活用されています。
https://www.advanced-media.co.jp/
AI Avatar AOI製品サイト

https://www.advanced-media.co.jp/products/service/ai-avatar-aoi

ジャンル
技術・テクノロジー
カテゴリ
記者発表会