歯医者がない!道内で広がる無歯科医地区の医療問題 へき地の把握にも繋げる無料入れ歯相談会、5/12(日)に札幌で開催
【歯科医師の数だけでは分からない、地方に広がる無歯科医地区】
医師不足が進む中、無歯科医地区と呼ばれる過疎地やへき地での歯科医師不足も深刻化しています。無歯科医地区とは、近くに歯科医療機関がないうえ交通の便も悪く、他の地区の医療機関へ通うのも難しい地区のことです。歯科医師数が多い県でも市街地に集中するといった地域の偏りや医師の高齢化により無歯科医地区も多くあります。北海道でも令和4年の無歯科医地区が126地区あり、稚内市や網走市などの北部から札幌市内に通院している人も多く、例外ではありません。面積が広大なためか、歯科医院へ通う人が少ないとも言われています。
【増えるへき地からの通院者、リアルな現状把握が必要】
札幌市にある入れ歯専門のコンフォート入れ歯クリニックは「チカホ」で入れ歯相談会を開催します。地元の方や休日に遠方から来た方が日頃感じている小さな困りごとを気軽に相談できる場として、立ち寄りやすい札幌の中心地にある地下街で開催します。開催目的は義歯が痛い、外れるといった相談の他に、近くに通える歯科医院が無い地区の把握です。
開催のきっかけは大雪の際に患者が苦労して来院されたことでした。当院でも以前に比べ稚内市や紋別市など遠方から通院される方も増えました。稚内市近くにお住まいの70代女性は、電車で通うことが難しく、普段片道3時間かけて高速道路を使い通院されています。しかし予約の前日に大雪が降ったためバスとタクシーを乗り継ぎ約10時間かけて通院されました。「今は何とか運転できるけど、いつまで通えるか分からない。」と不安な様子でした。治療したくても通えない地区に出向くため、生の声を聴く必要があると感じました。
【離れて暮らす親を心配する子世代、地域の偏りは喫緊の課題】
現在当院では、近隣に歯科医院が無い地区やへき地へ出向き、義歯治療や入れ歯銀行への無料データ保管を行う移動入れ歯治療バスの運行計画が進行中です。入れ歯銀行とは災害時や日常の紛失などで突然義歯を失った際に、最短2日で新しい義歯を作るために無料で形状データを保管しておくサービスです。2023年より全国展開を開始後、17都道府県26歯科医院が加盟しており広がりを見せています。内閣官房が推進する「国土強靭化民間の取組事例集」令和6年版にも掲載されました。
代表の声「地方では、親御さんは住み慣れた土地に残り子ども世代は仕事がある市街地へ移住することも多いです。遠方だと通院の送迎も思うようにはできません。離れて暮らす高齢の親を心配して無料で義歯データを保管できる入れ歯銀行への相談も増えました。娘さんが代わりに義歯を持参してデータ保管をしたこともあります。へき地の医療をどう維持していくか、地域の偏りは喫緊の課題です。」
高齢化が進む中、実際に義歯治療を必要としている地区を把握し出向くことで利用者の健康を守るため、現在予定している移動バス運行も推進していきます。
《入れ歯相談会 概要》
日時 : 2024年5月12日(日)10:00~17:00
場所 : 札幌駅前通地下街広場 チカホ7番出口横
所在地 : 〒060-0001 北海道札幌市中央区北1条西3丁目
内容 : 義歯の痛みや不具合、義歯データの無料保管(入れ歯銀行)相談など
お問合せ先 : コンフォート入れ歯クリニック(TEL:011-211-1418)